石田 麗 紅型作品展「空、駆ける」3月21日春分の日スタート!


 
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ちとせ染工房から  

私は沖縄で13年間、紅型を中心とした染めを学び、2012年の夏に生まれ育った大分へ帰ってきました。

豊後大野市千歳を工房の場所に決めたのは、私の曽祖父と祖父、祖母がここで暮らしていたからです。古くて小さいながらも、この祖父母たちの家で染めをやっていくことが私の夢でした。

沖縄から帰ってきて、あらためて千歳を見ると、ここは魅力的な素材が溢れています。

夏のおわりの涼しい風に乗って甘い香りを運んでくれるクズの花。

田んぼの畦道を輝く青で彩るツユクサ。

秋の田畑に広がる波は豊かな実りの稲穂とハトムギ。

寒い季節の山道にユニークな形を拵えるネムの実。

川面いっぱいに夕日を浴びて静かにながれる茜川。

そしてここには、私が子どもの頃から大好きだった“鯉のぼり”が生き生きと泳ぐ広い空があります。

毎日スケッチする手が追いつかないほどなのですが、幸せなことに、ここには穏やかな時間がたっぷりとあります。これから一つ一つの素材を描いて、型を彫り、糊を置いて・・・、この場所だからこその新しく魅力的な図案、そして紅型を生み出していきたいと思っています。

初めての大阪での作品展に向けて、今、全力で作品を染めています。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

                                                  染色作家  石田 麗

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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profile

石田麗 Rei Ishida

沖縄県立芸術大学で染めを学ぶ。

平成15年〜24年 沖縄県那覇市首里、城間紅型工房にて城間栄順氏に師事。

平成20年〜23年 沖縄県立芸術大学に非常勤講師として勤務。

平成24年 帰郷、大分県豊後大野市千歳町に「石田麗ちとせ染工房」を開設。

平成27年 NHK文化センター大分教室にて講座を担当。