一般社団法人どすこいは森で生まれました。 四半世紀にわたって森の再生を願い汗を流してきたボランティアたちが、何かで困っている子どもたちの居場所を作りたくて立ち上げました。 今は阿倍野区昭和町と西田辺町、奈良県生駒郡三郷町の三カ所で児童発達支援の事業所をしています。 どすこいの子どもたちは少なくとも年に100日森に通うことができます。 奈良の事業所では毎日が森です。 どすこいの子どもたちは自然の中で思い思いに過ごし、自分自身と仲間に出会い、溢れんばかりの命を発見し、それら一つ一つとそれぞれの方法でつながっていきます。 歩くのも覚束なかった子がある日山道を走り出したり、 寡黙だった子が急に話し出したり、 一人遊びに熱中していた子が突然鬼ごっこに加わっていたり、 畑の畝を踏んづけることが大好きだった子が一年後丁寧に畝を作り種を蒔くようになっていたり… 森ではびっくりするような出来事が毎日起きています。 しかし、子どもたちの「その時」がいつやってくるのか私たちには分かりません。 でもその一方で「その時」は必ず来ると信じています。 「その時」の訪れを見逃さないようにワクワクしながら子どもたちの傍で待っています。 私が初めて栄勇樹くんの作品と出会ったのは2年前、昭和町での支援の時でした。 赤と黒で描かれた動物たちはどれも草原や森や水辺から私を呼んでいるようでした。 色んなことに縛られて此処から離れられない私に「こっちに来い、もっと自由になれ」と語りかけているようでした。 準備を始めて1年余り、ご家族のご理解とVow'sさまのご協力をいただき、いよいよ彼の作品に出会っていただける時がやって参りました。 彼の作品の中には私たちがもっと自由になるために必要な「何か」が充満しています。 その「何か」を見つけ出していただければ幸いです。