杉板にうっとり


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7月30日

7月も残すところあと二日。午前中からげんなりするほど暑い中を現場へ向かうと、ここ数日、大工さんによって着々と進められていたカフェから厨房へと続く壁作りはほぼ完了していた。

「吉野杉と言っても安いのもあるんです。それを取り寄せたんですよ」、と建築士さんが笑いながら言っていた壁板。杉の香りは特にしていないような気がするけれど、とにかく杉板の壁はすごく美しくて驚いた。節があっても、木目がそろっていなくても、この後に塗装をする予定ではあるけれど、このままでもいいと思うほどにきれいだった。

店の入り口から奥へ向かって滑らかに流れるような杉板の壁は、大工さんが毎日むせるような暑さの中で汗をかきながら丁寧に作ってくれたもの。入り口から奥のスペースへと向かう流れは、その先にあるものへと人をいざなってるようにも見える。どこにも、誰もいない毎日になったらどうしようか?としょっちゅう思うけれど、だからこそ、奥まで入る甲斐のあるスペースにしなくてはと改めて思い始めている。