沖縄 工芸のしずく 〜紅型・陶芸・ガラスで彩る夏〜


【会期】2021年7月3日(土)〜7月18日(日)※月曜日〜水曜日休み
【時間】12:00〜17:30

 今は、これまでよりも遠くなってしまっている沖縄。伝統に育まれたものづくりの地「沖縄」から、いつもvow’sに作品を届け、来場してくれていた沖縄在住の若き作家たちも、なかなか大阪を訪れることはできなくなりました。
 コロナ禍で、全国に向けて広く作品を発表し、買い求めていただける機会が減っている彼らではありますが、沖縄で今日も変わることなく心を込めたものづくりを続けています。
 vow’sでは定期的に行ってきた沖縄からの作品展が、大阪と沖縄のコロナの状況の悪化によって、昨年も、今年も上半期は開催することができませんでした。この間、多くの方に「もう沖縄展はやらないんですか?」「紅型が大好きなんです」「楽しみにしています」と嬉しい励ましのお声がけをいただきました。大阪と沖縄、気兼ねなく自由に通えていた頃から、彼らの工房を訪れ、話し合い、笑い合い、いつの間にか育まれてきた彼らと彼らの作品への思い。「微力ではあるけれど作家たちにエールを送りたい」、そんな気持ちが膨らんで、今年は久しぶりに7月3日より作品展を開催することにしました。
 今展では、彼らが沖縄から届けてくれる瑞々しい作品を通して、沖縄の工芸の魅力と、鍛え続け、作り続ける若き作家たちの技と心を感じていただけたら幸いです。伝統の型染め「紅型」、歴史の中で培われた「陶芸」、そして沖縄ならではの「ガラス」…、今展では比較的暮らしに馴染みの良い小品を中心に作品が揃います。
 海を超えて届く生まれたばかりの沖縄の工芸品から、今は少し遠い沖縄の夏の空気や、暮らしと共にあるものづくりの奥深い心を、ほんのひとしずくでも受け取っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

vow’s space

【作家紹介】

profile
1988年 沖縄県生まれ
2015年 沖縄県立芸術大学・大学院 修了
2017年 2人展「summer planet」(in vow’s space+ cafe )開催
2018年 ダブルツリーbyヒルトン北谷にて作品提供
2020年 リウボウ×沖縄県立芸術大学コラボ展 出品

message
紅型の染め方に魅せられ作品制作に励んでいます。
モチーフは日常の中から見つける何気ない物をテーマに選んでいますが、特に砂浜を題材にした制作が多くなっております。砂浜は私にとって、小さな頃からすぐ側にある大切な環境です。綺麗な貝殻、珊瑚の欠片、沢山の植物や海の煌めき。砂浜は思い出や、作品制作のヒントやモチーフを与えてくれるかけがえの無い場所です。


小浜由子(コハマユウコ)

profile
1989年 沖縄県生まれ
沖縄県立芸術大学・大学院陶磁器専修 修了
2013・2014年 泥土会展
2015・2016年 ドウソウ展
2017年 summer planet夏の惑星 宮城愛美・小浜由子二人展
沖展(第70回) うるま市長賞
2018・2019・2020年 陶四人展
2020 沖縄 陶5人展

message
私は沖縄で生まれ、沖縄の自然をたくさん感じて育ちました。
また、私の住んでいる地域は米軍基地が近くにあり、アメリカ文化も私の中に大きく影響しています。空や海、太陽の光などのグラデーションや色彩や装飾で表現ができたらなと考えています。
主な技法としましては、上絵転写と下絵転写などを用いております。


泉佳那(イズミカナ)

profile
2017年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部工芸専攻染色分野 卒業
2019年 沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科生活造形専攻工芸専修 修了
2019年 「そめおり工房konkon」を立ち上げ
2019年 沖県立芸術大学工芸専攻染分野 非常勤講師

https://www.instagram.com/kon_kon_izumi

message
現在、沖縄県立芸術大学の非常勤講師として働く傍ら、織物をしている友人と共に「そめおり工房konkon」立ち上げ、工芸を身軽に使える製品開発に取り組んでいます。
個人での活動でも、その制作方針は変わらず、アクセサリーや小物などを中心に、制作を続けています。


金城宙矛(キンジョウヒロム)

profile
1989年 沖縄生まれ
2012年 沖縄県立芸術大学卒業
2014年 沖縄県立芸術大学 大学院修了
2014年〜2017年 読谷村窯元勤務
2018年〜2020年 沖縄県立芸術大学 教育補助専門員
現在、沖縄県立芸術大学陶芸分野 助手
2021年8月 大阪市阿倍野区vow’s spaceにて個展開催予定

message
沖縄の焼物の素材は、豊富に鉄分を含んだ地質の土である。南部のクチャは赤瓦などの胎土として利用されているが、私は釉薬の原料として用いている。この小さな島で、地質の違いや採取できる原料の豊富さはとても魅力的だ。
沖縄の素材の持つ特質を活かした焼物を目指し、日常に溶け込むが、存在感のあるうつわを制作している。


田中紀子(タナカノリコ)

profile
1996年 沖縄県立芸術大学染織コース(染)卒業
2005年 紅型工房「染虫」設立
2016~18年 琉球王国紅型衣装復元作業に同大学染色研究室チームで参加
1995年 第4回りゅうぎん紅型デザイン公募展 最優秀賞
2009年 第7回沖縄市工芸コンテスト グッドデザイン賞
2017年・2019年 沖展入選
2019年 工芸コンテスト「第17回Craft in 沖縄市」奨励賞
tituti OKINAWAN CRAFT  
沖縄女流美術家協会会員

message
生命力にあふれる沖縄の光
くっきりと浮かび上がる影を型染のシルエットに
光をあびて鮮やかに輝く色彩は布に映して


ゲスト出品
尋Glass Studio


今展の開催に際し、無理をお願いして作品提供を叶えていただいた、沖縄県在住のガラス作家 屋我平尋さん。琉球ガラスの沖縄県認定の工芸士である屋我さんは、独自の技法によってオリジナリティ溢れる表情と色彩のガラス作品を制作し、高い人気を博しています。
今展では、限られた作品数ではありますが、1点1点手仕事で作られる沖縄ガラスの作品をお楽しみいただきます。